三代目❤️夢小説(臣隆編fourth)夏愛33
「隆二?」
「ん?…」
臣の腕の中で隆二の頬は、東の空から差してきた光でほんのり桜色に染まっている。
口角を上げて微笑む唇も桜色をしている。
上からその唇を見ながら臣が吐息交じりにもらす。
「離したくないな」
「天狗ちゃん…」
「気持ちはわかるけど、また次の休みにね」
「うん…」
声のトーンはYESと言ってない。
「…ん?どーしたいの?」
「食べたい…」
「どーぞ」
んーっと口を尖らせて臣を待つ。
一晩で何回目の口づけなのか?
飽きもしないで、余程相性がいいんだな…なんてお互いに思っている。
夏愛のラストは軽いフレンチキスにした。
フワッと柔らかいジャスミンの香りで包まれた。
「帰ろ」
川沿いの遊歩道を駅へと向かう。
まだ帰りたくなさそうに後ろを歩く臣は、浴衣と帯の間に片手を突っ込んで、唇を尖らせながら空を見ている。
臣の空いてる手の人差し指だけ握って、少し前をゆっくり隆二が歩く。
「天狗ちゃん、冬はどこ行こっか?」
「雪が見たいな」
「いいね!じゃあ北へ行こうね」
「なぁ、隆二?」
「ん?」
「年が明けたらさ」
「うん」
「一緒になろう」
「…どゆこと?同棲すんの?」
「そんなもんかな?」
「あ?そこはフワッとしてんだ」
「うん」
「いいよ、臣の好きにすれば?」
「…夏愛はきっと、永遠に続くんだ」
「そだね」
二人はしっかりと手を繋いで、朝陽の中を笑顔で歩み始めた。
完
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2018.09.11 12:10
2018.09.11 11:32
2018.09.11 10:43