三代目❤夢小説(臣隆編sixth)『冬恋 68』
「これ、どうやって開ければ…」
鍵はついていない。
上下に木枠の窓が重なっていて、スライドして開けるタイプだと思うけど、
指を引っ掛ける溝もない。
掌で上に押し上げようとするが、ビクともしない。
「臣が…離れていくよ」
軽く叩いてみても無理だ。
「一緒に…」
「一緒に帰ろうよ」
涙で窓が霞んで見える。
「もう、ヤキモチ妬かないから…」
「女性を好きになってもいいからさ」
「二人でシビれるような曲作って…」
「…また一緒にステージに立って」
「夢を叶えていこうよ」
こんな小さい声じゃ届かない。
いや、たとえ届かなくても…
おもいっきり叫ぶんだ!
「おみ…」
「臣ーーーっ‼︎行くなーーっ!!!!」
バン!!!!
大きな音と共に窓の上がスライドして、冷たい空気と雪が吹き込んで舞い上がった。
開いた窓の外には、
大きく目を見開き、白い息を吐く愛しい相棒が立っていた。
つづく
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2021.03.25 23:09
2021.03.25 23:06
2021.03.25 04:15