三代目❤夢小説(臣隆編sixth)『冬恋 61』
オレンジの光がはっきりと見えてきた。
「こんな場所にガラスイグルーが?」
雪に埋もれた湖面に立つ、青くて丸いドーム型のイグルー。
湖面を歩いてきたつもりで、実はもう陸地に立っているのか?
このホワイトアウトのせいで方向感覚もなくなり、今どこにいるのかもわからない。
とにかく暖を取らせて貰えないか、訪ねてみよう。
半分ほど雪に埋もれたガラスのドア、これはどうやって開ければいいんだ?
素手で雪を掻き分けてみるが、手が冷たくてとても耐えられない。
ドアまで辿り着く前に力尽きた。
その場に膝から崩れ落ちる。
ちょうどその時だった。
バン!!!
大きな音がした方向を見ると、ガラス窓の一部が外側に開いて、真っ白なロングヘアの女性が顔を出した。
「アンタ!そんなとこでなにやってんの!!早くここから中に入んな!!凍っちゃうよ!!」
助かった…
女性は薄着のまま外に出てきて俺の脇を抱え、室内まで連れていってくれた。
小さなイグルーの中は暖房がきいて春の暖かさだ。
白髪で細身の女性は何も言わずに大きなバスタオルを俺に差し出し、毛足の長いカーペットの上にドスンと胡座をかいた。
つづく
※一話短めになります。
いつもご愛読ありがとうございます。
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2021.02.21 01:06
2021.02.21 00:00