三代目❤夢小説(臣隆編sixth)『冬恋 57』
「わぁ…‼︎」
突風に煽られ足を取られてバランスを崩した。
雪に深く埋もれ、そのまま動くことも出来ずに、嵐が去るのを待った。
地面と平行になるように姿勢を低くしている方が安全な気がしたからだ。
ここが凍った湖面であることも忘れて、うつ伏せになり、ただひたすらに
みんなが無事でいることを祈った。
…寒い
手足の感覚がなくなってきた。
臣のことだから、
一見冷たそうに見えて、実は心の優しい奴だから、
急な豪風雪の中でも、必死に彼女を守るだろう。
なんかの映画で見たことがある。
極度の緊張状態にいる男女は、その後恋愛に発展しやすいって。
あれ?
ちょっと違ってたかな。
…どうでもいいや。
寒くて寒くて、眠くなってきた…
アイツ…臣のヤツ、
確かリュックにコーヒーが入ったポット入れてたよな。
それ、今飲みたい。
…臣が好きないい香りのする、
あったかいコーヒー…飲みた…
猛烈な睡魔に負けそうになった時だった。
「若い方!こんなとこで眠っちゃいかん‼︎立ちなさい!」
結構な勢いで両脇を抱えられ、半身起こされた。
うつ伏せに寝てたから、そのまま地面に正座したような格好になった。
「スノーモービルが行き交うイナリ湖の上だ、寝てちゃいかんぞ!危険だ!」
真っ白で、顔がよく見えない。
「近くにオーロラの観察小屋があるから、急いでそこに避難して火を起こそう!歩けるか?」
「私の肩につかまりなさい」
「す、すみません…ありがとうございます」
見知らぬ人に誘導され、その場から離れた。
つづく
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2021.02.17 05:11
2021.02.17 04:05
2021.02.17 02:15