三代目❤夢小説(臣隆編sixth)『冬恋 53』
「きゃっ…⁉︎」
「うわぁ‼︎…凄い風だ!」
スノーモービルの横に立って明日美ちゃんの話を聞いていると、
突然、北の方角からそれはやって来た。
ごぉぉぉぉ…
渦を巻くような豪風雪で前後左右、上下感覚までなくなり、
辺りは白一色になった。
「明日美ちゃーん!どこだ?俺に掴まって‼︎」
「登坂さぁん‼︎」
ごぉぉぉぉ…
「きゃあーっ!カラダごと持ってかれる‼︎」
彼女の手をたぐり寄せ、背中から抱え込むようにして、
その場にしゃがみ込んだ。
スノーモービルの影に身を伏せ、
できるだけ風の抵抗を小さく受けるように彼女の上から覆いかぶさった。
「わぁ……」
荒れ狂う爆風が吹く中、遠くで誰かの叫ぶ声が聞こえた。
「…りゅう、じ…⁉︎」
ごぉぉ…
咄嗟に絞り出した俺の声も風にかき消された。
隆二は⁉︎
一人で大丈夫なのか?
でも今は一緒にいる彼女を守るのが精一杯で、
とても動ける状態じゃない…
無事でいてくれ!
お願いだから!
標識でも木でも何でもいい!
近くにある物に掴まって、身を低くして、
俺が助けに行くまで、そこで待っててくれ‼︎
つづく
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2021.02.13 05:25
2021.02.13 05:21
2021.02.13 02:45