三代目❤夢小説(臣隆編sixth)『冬恋 48』
まるで静止画のように臣は立ち止まり、動かなくなった。
大きく見開いた目。
吐く息も見えない。
息も忘れたように、苦しげに俺の方を見た。
違うよ、臣。
そういう意味じゃなくて。
でも、一度は…いや、一度じゃないな。
今までだって、何度も思ったことあるな。
自分でも一番嫌いな感情。
”嫉妬”の炎で身を焼き尽くす位なら、
いっそ別れた方が気が楽だって。
愛してるのに別れを選ぶなんて、
人間だけがする、まったく残酷な行為だ。
これから先も、何度も何度も、
そういう場面に出くわす度に何度でも、
”嫉妬”という醜い感情に支配され、
身も心も疲れ果てるなら、
絶対は有り得ないけど、
自分だけを愛してくれる笑顔の可愛い人と、一緒にいる方が楽なんじゃないかって。
平穏な日々を送れるんじゃないかって。
嫉妬する度に、そんなことも考えた。
お前だって感情のある人間なんだ。
これから先ずっと飽きないって言えるか?
心までは、支配できないんだから。
つづく
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2021.02.08 10:44
2021.02.08 06:51