三代目❤夢小説(臣隆編sixth)『冬恋 45』
バスはHOTEL イナリ前に着いた。
クレジットのカードリーダーで支払いを済ませ、バスを降りた。
ホテルの外にある温度計は-16℃を示している。
バスの乗客は極寒を凌ぐため足早に、一旦HOTELのエントランスに入り、そこからイナリ湖のアクティビティに向かうもの、博物館へ行くもの、レストランへ向かい早めのランチを取るものなど、それぞれが目的地へと散り散りになる。
「俺らはどうしよっか、博物館見に行くか?」
「いや、先にイナリ湖の散策に行こう」
「いいよ、臣に着いてく」
散策しながらさっきずっと考えを巡らせてた、アレ…
要望、いや願望かな。
俺の気持ちを伝えたい。
何て切り出そうか。
今夜、襲ってくれる?
…アホか、ストレート過ぎるわ。
「お若い方」
呼ばれて振り向くと、バスの後ろに座っていた、あの仙人のような老人が立ってこちらを見ている。
「急に吹雪くこともあるから、気をつけて行きなさい」
「あ、ありがとうございます」
再度礼を言った。
「誰?臣の知り合い?」
「いや、バスの後ろに座ってた人で…」
隆二にそう返しながら振り向くと、ご老人の姿はもう見えなくなっていた。
「ご高齢のようだったけど、足早いね~!」
本当に、忽然と消えた。
雪も降ってないのに、急に吹雪くことなんてあるのかな。
「臣、手ぇ繋ご…」
「ん?ああ、行こっか」
「あ、そうだ!ホテルのラウンジでコーヒーのポットサービスしてるから持っていこ」
「喉乾いたの?」
「いや…俺コーヒーないと生きていけないし」
「お前は?」
「乾いてない」
「…湖に行ったらスーパーもなんもねぇぞ」
「じゃ、ミネラルウォーターだけ買っとく」
ラウンジの奥の方が騒がしい。
誰か有名人でも来てるのかな?
フラッシュが光ってる。
「コーヒーOK」
「カイロもオケ♪」
「じゃあ、まだ見ぬ地球の絶景スポットへ」
「行こう」
つづく
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2021.02.05 09:47
2021.02.05 09:03