三代目❤夢小説(臣隆編sixth)『冬恋 23』
「ねぇ、臣…」
振り向くと、ベッドの上に膝をついて窓の外を見ている。
細く引き締まった腰が誘っているようだ。
「…ん?」
「人間ってさぁ…もともと動物だったんでしょ」
「猿が進化したものだからな」
「じゃあさ…」
窓ガラスにはぁーっと息を吹きかけた。
「猿のように、愛し合おうよ」
白く曇った窓ガラスに薄っすら浮かび上がった、その横顔の美しさよ。
デビュー当時、HIROさんの隣にいたVBAの関係者が隆二を褒めていたことがある。
“綺麗な子”だって。
あの頃は色も黒くて、髭ももっと濃くて、男らしい精悍なイメージだったから、
“綺麗な子”っていう評価を聞いて少し戸惑った記憶がある。
だが、さすがにその道のプロだ。
内に秘めた中性的な隆二の魅力を、デビュー当時からすでに見抜いていた。
歳を重ねるにつれて、その魅力はどんどん開花していった。
同性が見てもゾクッとするような妖艶さ。
その唇で確かにそう誘ってきた。
“猿のように愛し合おう”って…
なるだけ音を立てないように唾を飲み込んだ。
やっと声が出た。
「シャワーもしないで、寒くないか?」
二歩、三歩と隆二に歩み寄り、手を伸ばしかけた。
「ん、じゃ、先に風呂ね」
…また、軽くスカされた。
つづく
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2021.01.14 08:44
2021.01.14 08:42
2021.01.14 08:31