三代目❤夢小説(臣隆編sixth)『冬恋 ②』
名古屋に有るTOHOシネマの控え室で、隆二は思い悩んでいた。
ベストヒット歌謡祭の収録前、楽屋裏トークが終わって、臣が俺の握っていたマイクを手に取った。
いつもはそんな素振り、見せないようにしてるのに。
無意識でさり気なく俺の手を包み込むようにマイクを取った。
その優しさに、一瞬…フリーズした。
後から動画をチェックしたけど、誰が見てもハッキリわかるくらいに…
臣のさり気ない優しさに俺は、戸惑いを隠せなかった。
キュン死なんてレベルじゃない。
一生アイツを…臣を独占したいと、本気でそう思った。
その翌日だった。
アイツの新曲が配信されて、初めてMVを見た。
ズシッと心が重くなり、続いて小さなヒビが入った。
心にヒビが入るんだ。
初めての感覚…
どれだけ一緒に居たって、
飽きるほど愛し合ったって、
ひとつにはなれないんだ。
アイツ…
あんな風に、女性を抱くんだな。
俺たちの関係だって、いつまで続くかなんて分からない。
いつか…
あの優しさを失う時が来るのなら…
できるだけ早い方が、傷も浅く済むかもしれない。
ピコン♫
iPhoneがまた鳴った。
ったく、るせーな。
人が感傷に浸ってる時に…
「さっきからLINE鳴ってるよな」
「出なくていいのか?」
隣に座る直己さんが尋ねてきた。
つづく
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2020.12.20 22:58
2020.12.20 00:41
2020.12.20 00:22