『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(新生38)
隆臣を連れて保育園の説明会に行く日が来た。
隆二は半日撮影が入ったので、臣が連れていくことになった。
朝から雨が降っている。
「隆臣、レインコート自分で着れるかな」
「だいじょぶよ♪」
「あれ?ここに置いてあったピアスどこ行った?」
乃愛と理太は剛典の実家に行ったので、廉には休みを取らせた。
「隆二~?あれ?どこだ…」
臣は素肌に真っ白なシャツを羽織って、紺のネクタイを締めながら相方を探した。
隆二の部屋をノックしても返事がないので、ドアを開けた。
薄いカーテンの向こう、ベランダに影が見えた。
「居るんだったら返事しろよ」
カーテンを開けると、降りしきる雨を見ながらタバコの煙を燻らせる隆二の姿があった。
「あ‼️こら!何、吸ってんだ💦」
「電子タバコだ、心配ねぇよ」
冷めた目でそう返した。
「なぁ、リビングに置いてあった俺のピアス知んない?」
「知らねぇ…」
「…っかしーな」
「保育園行くんだろ?ピアスいらねぇじゃん」
「そうなんだけど」
「だけど、何?」
「カラダの一部みてぇなもんだから、持ってないと落ち着かなくてさ」
「他にもいっぱいあんじゃん」
「あれは特別なんだ」
「…」
「いつまで落ちてんだよ」
「…別に」
「お前、最近可愛くねぇぞ」
「ほっとけ」
「ホント可愛くねぇ」
「あ、そうだ。今夜遅くなるから」
「飲み会か?」
「地元のツレと」
「泊まり?」
「わかんねぇ」
「LINEしろよ」
「ああ…」
「おとーしゃーん💦来てぇ‼️レインうまく着れないのよぉ💦」
隆臣に呼ばれて臣が出ていくのを見届けてから、隆二はポケットからキラリと光るピアスを取り出した。。
「お前の一部は…俺の一部だ」
つづく
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2020.05.07 04:00
2020.05.07 03:56
2020.05.07 02:37