『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(新生⑱)
乃愛はスっと立ち上がって俺の前に後ろ向きに座った。
「ちょ…待って💦」
俺は慌ててボートのバランスをとろうとした。
不思議だ…
少しも傾かない。
湖面は相変わらず鏡のように静かで、透き通っている。
「ああ…やっぱこれって、乃愛が見せてくれる夢なんだね」
「バレちゃった?」
その表情は見えない。
ポニーテールを結った白いうなじが目の前にある。
「据え膳食わぬは男の恥」
「え!?…今、なんてった?」
「乃愛、難しい言葉知ってるよね💦」
「はぐらかさないで下さい」
「はぐらかしてなんか…」
「私、そんなに魅力ないですか?」
「いや…その」
乃愛の手が俺の両腕をとらえ、自分の細い腰に巻つかせた。
輝く白いうなじが目の前に迫る。
清潔ないい香りで、頭がクラクラする。
それを振り切るかのように目を閉じて、思いを巡らせる。
俺の好きなうなじは…
好きなうなじには…ホクロがひとつ…
…ホクロ!?
そう‼️思い...出した!
俺の愛する人には、大空に輝く一番星のように、愛しいホクロがある。
つづく
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2020.03.09 04:46
2020.03.09 04:36