『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(新生⑯)
同じ時刻、自宅の子供部屋で乃愛に添い寝している隆二も不思議な夢を見ていた。
誰だっけ?今の青年…
どこかで会ったような…
パパ…確かパパって呼んでた気がする。
え!?
まさか、あれってたっくん!?
ギュッと瞑っていた両目を開くと、目の前にくるくる巻き毛の若い女性が座っている。
白い妖精…
いや、違う。
これは、前にも夢に出てきた乃愛だ。
理愛似の透き通る様な肌が、うっすら桜色に
染まっている。
最近見た夢に出てきた乃愛より、更に美しさに磨きがかかっている。
潤んだ瞳で真っ直ぐ見つめるのは、俺の顔…
ここは?
鏡のような湖面に白いボートが浮かんでいる。
二人っきりだ。
穏やかな陽光が、乃愛が着ている白いワンピースに反射して、全身がキラキラ光っている。
初めて夢に出てきた時の乃愛は、まだどこかあどけなさが残っていたけど…
美しい女性に成長したもんだ。
どこに出しても恥ずかしくない、岩田家の自慢の娘だ。
…俺は?
今度こそ50を超えたいい親父になってるか?
鏡…
鏡ないかな?
鏡なんか湖にはないか。
「隆二さん、何か探してるの?」
乃愛が話しかけてきた。
つづく
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2020.03.06 12:04
2020.03.06 11:59