『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 スピンオフ(初めてのチュー⑩)
えっ!?
父ちゃんって言った。
パパとお父さんの他に、父ちゃんって人もいるのかな?
「たっくん暴れちゃダーメ💦おみはまだ来ないよ」
「いやら‼️おチューしないの😠とーちゃん早くたしゅけて💦」
「あーあ、りゅうじくん”おみ”って言っちゃった」
なぜか橘さんが嬉しそうにしてる。
「かのんちゃん、お願い‼️」
看護師さんから再びお呼びがかかった。
機関車トーマスのパペットを手にして席を立ったと同時に、窓口からひょこっと男性が覗き込んだ。
「すみません、とさかたかおみの家族ですが、うちのもう帰りましたか?」
「ひゃ‼️おみくん…」
橘さんが素っ頓狂な声を出して、椅子をひっくり返して立ち上がった。
”おみくん”と呼ばれた若い男性は、白のTシャツに革ジャンを羽織って、ハンチングベレー帽を逆さまに被ってる。
黒いマスクの上に、大きな二重の瞳が輝いている。
あの坊やと同じ目だ。
「い、今まさに診察中です💦どーぞ中へお入り下さい」
「はい」
いつも沈着冷静な橘さんが、明らかに動揺している。
「かのんちゃん、早く‼️」
私も急いで診察室へ向かった。
つづく
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2019.12.10 05:23
2019.12.10 05:21
2019.12.10 05:19