『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(最愛43)
「隆二たち、こっちにいたよ」
『そうですか、良かった…』
「理愛、今どの辺り?」
『インフォメーションの前です』
「じゃあミュージアムを出た所で待ってて。会計済ませたらそっちに行くから」
『広臣さん、さっき剛典さんからLINEがあって、もうすぐこちらに着くそうです』
「そっか、わかった」
「じゃあ後でね」
理愛が一人でミュージアムのゲートを出て、臣が言った待ち合わせ場所に立っている時だった。
刺すような視線を感じて振り返ってみると、
剛典の実家で見かけた、あのロングヘアの女と目が合った。
女は慌てて逃げようとした。
「待ちなさい!!あなたなぜここにいるの?」
階段の上で女の腕を捕まえた。
「な、なによ‼️あんたこそ、まるで臣の女房気取りでさ💦」
「…なにを言ってるの?」
「あんた、岩田さんの嫁でしょ?家で大人しく子育てしてなさいよ!!!」
理愛は表情ひとつ変えずに返した。
「あなたにとやかく言われる筋合いはないわ」
「痛い‼️離してよ💦」
「広臣さんを付け回して、ストーカーみたいな真似はしないで」
「ぐ、偶然よ!!」
「大の大人が一人で子供向けのミュージアムに、なんの用事があるっていうの?」
「中にいたって証拠ないでしょ💦」
「ずっと、誰かにつけられてる気がしてた」
全てを見透す深海のような瞳。
女は観念したように白状した。
「あ、あの子…臣の血を分けた隆臣くん。
可愛いから、もっとお話がしたくてついてきたのよ」
理愛は女の言葉を聞いて、ゾッとした。
「広臣さんだけならともかく…」
「隆臣くんに近づいたら、ただじゃおかないから!」
理愛の深く青い瞳が一瞬、真っ赤に燃えたように女の目にうつった。
「きゃあ‼️化け物💦離して‼️」
ドン!!!!
女が突き飛ばしたはずみで理愛は宙に舞い、階段の下まで転げ落ちた。
つづく
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2019.09.08 22:34
2019.09.08 22:33
2019.09.08 22:20