『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(最愛40)

「似た者親子、どこまで行ったんだろ?」



「見に行きましょうか?」



「そうするか」



「広臣さん、空き缶下さい」



「ああ、サンキュー」



空き缶を渡そうとして、お互いの指先が触れた。



「あ、すみません」



「ん?なんで謝るの?」



「なんででしょうね?」



理愛は笑って空き缶を受け取り、自販機まで処分しに行った。



ゆっくり歩いてきた臣の横に並んだ。



まるで映画のシーンを見ているような美しい二人に、羨望の眼差しが注がれた。



「美男美女ね」



「ため息しか出ないわ」



「ちょっと!立ち止まらないでよ!!」



物陰に潜んでいた女は表に出てきて二人の後を追いながら、誰彼なしに体当たりして暴言を吐いている。



「なんなの?あの人、自分からぶつかっておいて…」



「どこかで見たことない?あの女性」



女の周辺がざわざわし始めた。



女は慌てて大きなサングラスをかけ、臣達の後を追った。



臣と理愛がアンパンマン号にたどり着くと、中に隆二達の姿はなく、別のチビッ子達が乗っている。



「あれ?…俺の天使達はどこ行った?」



つづく




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