『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(最愛35)
隆臣が臣の前に来た。
「とーしゃーん、見てぇ!パンマンおっきいでしょ」
「ホントだ、うまそうだね!そこのベンチに座って食べるか?」
「あい✋あ~ちゃんどーぞ♪」
「え?私、先にいいの?」
「どーじょ✋」
「レディファーストだって 笑」
「隆臣くん、ありがとう」
「どういたまして♪」
ワンピースの裾を翻して、理愛が先に座った。
その隣に隆臣がちょこんと座る。
臣の隣に隆二もやって来た。
「いっただきまーす」
臣を挟んで似た者親子が同時にあんパンにかぶりついた。
口いっぱいに頬張ってモグモグやってる。
隆臣が手に持つアンパンマンの顔を見て、
臣はいたずらっ子の様な顔つきになった。
隆臣の耳元に唇をくっつけて囁いた。
「僕、アンパンマン」
「隆臣くんが頭かじるから、顔が濡れて力が出ないよぉ💦」
「くしゅぐったい」
隆臣が肩をすくめた。
「とーしゃん元気ないの?パンマン食べるぅ?」
「違うよ。お父さんじゃなくて、あんパンがそう言ってるんだよ」
「そーなの?へーきよ♪」
「あっそう?」
隆臣はまたあんパンにかぶりついた。
「こたえてないな 笑」
「隆臣くん、おいしい?」
理愛が隆臣の髪を撫でながら尋ねた。
「うんまい♪」
「よかったね」
「喉乾きますね。私、何か飲み物買ってきます」
「理愛、悪いね」
「いいえ。皆さんいつものでいいですね?」
登坂ファミリーが三人同時に笑顔で
うんうんと頷(うなず)いた。
理愛は優雅に立ち上がって、自動販売機へ歩いていった。
「あーちゃんビューディホね♪」
「ん、今なんてった?」
「beautiful、綺麗だって」
また隆二が通訳した。
「そっか、ビューディホね 笑」
「そうだ、隆臣さぁ?」
「なぁに?」
「理愛は、おねーしゃんとおばしゃんどっちになんの?」
「なに?なんのクイズ?」
隆二が先に反応した。
「お前はいいから、よく噛んであんパン食ってろ 笑」
「俺は隆臣に聞いてんだ」
「ちぇ…」
「あーちゃんでしょ?とーしゃん」
「そう❗あーちゃんはどっちだ?」
隆臣は足をぶらぶらさせながら、自動販売機の前に立つ理愛を目で追った。
つづく
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2019.08.25 10:50
2019.08.25 07:08
2019.08.25 07:01