『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(最愛36)
「あーちゃんは、あーちゃんよ」
「そりゃそうだな 笑」
隆臣はまたあんパンにかぶりついて、今度は遠巻きに三人を見ているファンの女性達に目を向けた。
「ぜーんぶおねーしゃんね」
「おばしゃんはいないのか?」
「いないよ」
「どーも基準がわかんねぇな」
「あのね、とーしゃん」
「ん?」
「乃愛のじぃじのおうちでね!おばしゃんいたのよ」
「声掛けられたんだってな」
臣がチラッと隣の隆二を見ると、あんパンを咀嚼しながら、眉間にシワを寄せて臣を睨んでいる。
臣は半笑いで隆二をスルーして、隆臣の方へ体を向けた。
「ねぇ、隆臣。その人は何でおばしゃんなんだ?」
「えっとねぇ」
「お口が真っ赤でね」
「へ?」
「お目めがオコなのよ」
「ぷっ!!……あっはっは…ゲホゲホ💦」
隆二が吹き出すと同時にむせ始めた。
「ゲホゲホ💦」
「大丈夫か?」
臣が背中を擦る。
理愛が走って戻ってきた。
「大変💦隆二さん!お水どうぞ!!」
理愛から受け取ったミネラルウォーターをごくごく飲んだ。
「ゲホ…あ、ありがと」
「物食いながら笑うからだろ」
隆二は涙目になっている。
「あー💦やべぇ…死ぬかと思った」
隆臣は気にもせず、理愛が渡した紙パックのジュースを美味しそうに飲んでいる。
「口が真っ赤で目が怒ってる人は"おばしゃん"なんだって」
「そうなんですか」
「あはは💦やべー!ウケる💦」
「お前は笑いすぎだ」
物陰に隠れて4人の様子をうかがっている女が、真っ赤になって怒りだした。
「私だけがおばさんですって⁉️…酷い」
「あの子、厳しく躾(しつけ)しないとね」
つづく
4コメント
2019.08.26 14:45
2019.08.26 09:38
2019.08.26 02:27