三代目❤夢小説 『NAOTO編131』
まりあがコンビニを出たのを確認してから、
直己は直人に電話をかけた。
呼び出し音が鳴るばかりで電話に出ない。
「酔って寝ちまったか…」
LINEを開いて直人に知らせようと入力しかけたが、手が止まった。
CAPを目深に被っていたし、背格好が似ているってだけで確証がない。
来週にはメンバー会議がある。
その時でも遅くはないだろう。
直己は遠くを歩くまりあが、直人のマンションに入っていくのを見届けてから、駅に向かって歩き始めた。
考えを巡らす。
俺に束縛するなって言うくらいだ。
それだけ直人に惚れてるのだろう。
もし、さっき話していた男がその元カレだったとして、はたして彼女が直人に不利なことをするだろうか?
慰謝料目当てに、彼が彼女を直人の元に送り込んだとか?
彼女のことが忘れられずに付きまとってるとか?
彼女はどうなんだろう。
直人のことを愛してるなら、DV男のことは徹底的に避けるはずだ。
いや、待てよ。
何かの雑誌で読んだことがある。
DV男ってのは時に人が変わったように優しくなって、飴と鞭を交互に繰り返し、いつしか女はその束縛から逃れられなくなる。
飴の時の尽くし方は半端ないそうだ。
その快感が忘れられずに、元カレと連絡を取り合ってるのだとしたら?
とにかく直人とはじっくり話してみよう。
あんな澄んだ目をした子が、直人を苦しめるようなことするわけない。
最初から疑ってた俺が言うのも変だが、
直人が選んだ子だ。
そう信じたい。
直己は相棒の様子が気になりつつも、iPhoneをポケットにしまい家路についた。
つづく
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