『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(岩田家と外食②)
テーブル席に来て、剛典が乃愛を抱き上げて子供用の椅子に座らせた。
「のーあ、さっきみたいな事言ったら、隆二さんが悲しむよ」
プンプンして乃愛が返す。
「だってぇ、パパたん。たぁくんはママがいーのよ」
隆臣を見ると、誰の手も借りないで子供用椅子によじ登っている。
「うんちょ💦」
「たぁくん聞いてないし」
見かねて理愛が手を貸そうとする。
「隆臣くん、あーちゃんが抱っこしてあげる」
「いーのよ、たぁくんダイジョブよ」
「そう?」
理愛が少し困った顔をして先に席に座った。
理太を降ろして剛典が声を掛けた。
「隆臣くん、しっかりしてきたね!理愛、心配ないって」
「ええ」
隆臣は座面に膝をつき、クルリと向きをかえて座った。
「しゅわれた💦」
すぐにふんぞり返った。
「たぁくん、王様みたいね」
乃愛がププっと笑った。
「しゃん代目といっちょよ」
「ずっと真似してるんだね」
「乃愛のパーパもしてたのよ」
「よく見てるね!」
「剛典さん、理太貸して」
理愛が白くて細い腕を伸ばした。
理太は剛典の腕の中で、すやすや眠っている。
「いいよ、いつも一人で育児頑張ってるんだから、理太は俺が見てる」
「理愛はゆっくり夕食食べて」
「パパたん、優しいね!ママ」
「うん、ホントに世界で一番優しいパパね」
「違うよ!世界でいっちばんはね、たぁくんのパーパよ!」
ふんぞり返っていた隆臣が身を乗り出して言った。
「隆臣くん、危ないよ。もうちょっと椅子前にしようね」
理愛は銀色に光る長い髪を揺らし、隆臣ごと椅子を前にやった。
「あーちゃん、ありがと♪」
「たぁくんの一番は乃愛のママでしょ?」
「そうよ!あーちゃんの一番よ」
「よくわかんない。パパたん、たぁくんなんて言ってんの?」
剛典も返事に困っている。
「隆臣くんの中のパパ部門は、隆二さんが一番だって言ってるんじゃないかな?」
「そうなのよ」
「え?じゃあじゃあ臣たんは?」
「おとーしゃんはカッコいいの一番よ🎵」
「るーたんは?」
「パーパは優しい一番なのよ」
「じゃあね、たぁくんはママいらないの?」
「いらなーい、パーパがマーマだからいーの」
「さっき、あーちゃんが一番って言ったのに」
「あーちゃんはあーちゃんなの😡」
剛典は隆臣の言葉を聞いて、安心したように満面笑顔になった。
「隆二さんが聞くと泣いて喜ぶよ、きっと」
「でしょ?パーパ、エーンしゅるから言わないよ、たぁくん」
乃愛はハッとした後で何かを悟ったように落ち着き、イタズラっぽく笑った。
「そーね!るーたんに言わなくていいよ、たぁくん」
「乃愛のパーパ、お腹しゅいた💦ご飯まーら?」
「たぁくん、聞いてないし😡」
つづく
4コメント
2019.06.26 01:18
2019.06.26 01:07
2019.06.25 23:36