レンタ彼氏『OMI21』
「ああ…俺、職場でシャワーしてきたから」
そう言いながらチラッと私を見て、ユニットバスに消えていった。
途端に全身の力が抜けた。
長い夢でも見てるのかな?
自分で自分の肩を抱く。
部屋の隅に目をやると、小さなハンガーラックに彼のライダースが掛かっている。
自分のじゃない、甘い香りが漂う空間。
あ、そうだ!
臣くん愛用の香水、ググってみよう。
ふと、スマホを操作する指が止まった。
…シャワーが完備された職場って?
「洗面とか綺麗にしてんだな」
早々と彼が出てきた。
ググってる途中で、私は慌ててスマホをテーブルに置いた。
「なに?なんか調べてたのか?」
「え?別に…」
「ひょっとして俺のこと怪しいって思ってる?」
to be continued…
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