レンタ彼氏『OMI⑦』
「仮にも彼氏なんだから、中入ってもいいでしょ?」
そんな台詞…聞いただけで体が熱くなる。
「…臣くん、なんもしない?」
「わかんない」
もう、無理…
顔が火照ってる。
絶対にこんな顔見られたくない。
かといって、家には来ないで!…って拒むこともできない。
だって…どの角度から見ても臣くんそのもの。
それと、コンビニにいるときからずっと続いてる鼻歌。
それって、リアルな臣くんがリリースしたばっかりの
『BLUE SAPPHIRE』でしょ?
ファンならみんな泣いて喜ぶよ。
拒むなんて絶対できない。
マンションの小さな階段を登り始めた私に、彼が後ろから声を掛けた。
「何階?」
「8階よ」
「エレベーターないの?」
「そんな高級マンションじゃないもん」
「ちょっとハードな仕事明けで足にきてんだ、手ぇ引っ張って上ってよ」
彼は私の手を更に強く握りしめた。
「ハードな仕事ってなに?」
「教えてやんない」
to be continued…
4コメント
2019.05.10 00:59
2019.05.09 15:30
2019.05.09 13:43