三代目❤夢小説 『NAOTO編63』
まりあは直人の首に手を絡ませ、その想いに答えようとした。
キスを交わしながら、直人の手が柔らかな膨らみに触れようとした瞬間だった。
キュッと閉じたまりあの瞳から涙が伝った。
直人はハッと我に返った。
アイツから早くまりあを解放してあげたい。
でも、急ぐ必要はないんじゃないか?
キチンと話をつけて、アイツとの関係を清算してから…
違うな。それじゃ、俺主体の考え方だ。
後ろめたさで泣いて、俺を受け入れようとするよりも…
まりあが心から笑って、俺に身を任せる決心がつくその日まで…
笑って待つくらいの心の広さを持つべきなんじゃないか?
動きが止まった直人の顔を見て、まりあが声を出した。
「…なおちゃん?」
「ごめん…性急過ぎるね」
「まりあの気持ちも考えないで…」
「泣かせてごめんね」
直人はまりあの体を起こして、頭をヨシヨシと撫でた。
「俺、近くのコンビニで時間潰してくるからさ、ゆっくりお風呂入るといいよ」
「私…」
「初恋の人がいきなり狼に変身するようじゃ、カッコつかないね」
「私が泣いたから…」
「後ろめたさを感じながら、身を任せて欲しくないんだ」
「……」
「愛し合う時は…笑っていて欲しい」
直人のiPhoneが鳴った。
ベッドから立ち上がり、電話に出た。
「あ、直己?悪りぃ!すぐに掛け直すから」
ベッドの上にちょこんと座っているまりあに声を掛けた。
「着替えるから、もいっかい目を閉じててね」
「…待ってね」
まりあは近くに置いてあったバスタオルで顔を隠した。
すぐに合図があった。
「ありがと!もういいよ。じゃあゆっくりお風呂入って、出てきたらLINEしてね」
直人は私服姿でiPhoneと財布を手に取り、部屋を出て行った。
つづく
10コメント
2019.02.01 18:07
2019.02.01 17:59
2019.02.01 12:58