『W旦那+(プラス)』 はじめてのおつかい①三代目妄想劇場 特別編
保育園入園日が間近に迫ったある日、臣と隆二が住むマンションに、某TV局の関係者が訪ねてきた。
P「実は先日視聴者千人に、芸能人二世の子供さんで、どなたのおつかいシーンが見たいですか?っていうアンケートをとったのですが」
臣「まさか、うちの隆臣が…」
D「はい‼大差をつけて堂々の1位という結果で、早速出演交渉に参りました」
プロデューサーとディレクター、ADが並んで座る向かいのソファーに、臣と隆二が並んで腰掛け、顔を見合わせている。
隆二「隆臣はまだ2歳11ヶ月ですよ」
P「今までの最年少は1歳11ヶ月です」
隆二「凄っ…考えられないな」
D「撮影当日は20人のカメラマンやスタッフでガードしますし、お宅からもモニターで隆臣くんの様子はリアルタイムでご覧いただけます」
P「もちろん途中でリタイアもOKです」
臣「それじゃ番組が成立しないのでは?」
P「いえ、隆臣くんの年齢も考慮して、それでもお二人の元からお使いに出るシーンだけでもみたいという要望が殺到してまして」
D「もちろん、ご自宅マンションの映像にはモザイクをかけます」
P「ただひとつ、隆臣くんの顔出しはご了承いただきたく…」
隆二「顔出しなら、すでにインスタで成長記録をPOSTしてるので、問題はありませんが…」
無事に解決したとはいえ、連れ去り事件があって数週間が過ぎたところだ。
臣も隆二も、どうしたものか考えあぐねている。
ディレクターは二人の顔色を見てから、辺りをキョロキョロと見渡した。
「…あの、今日は隆臣くんは?」
臣「ああ、今日はメンバーと買い物に出てます。もうすぐ帰ってくるかと」
D「そうですか」
ディレクターが話してすぐに、玄関の開く音がして、たたたたたと廊下を走ってきたかと思うと、リビングのドアからゆっくり顔を出す者がいた。
「ただいまぁ♪お客しゃーんだれでしゅかぁ?」
つづく
W旦ファミリーの特別編です。
週1~2ペースの更新になります。
いつもご愛読ありがとうございます。
※ストーリーでの略称
P=プロデューサー
D=ディレクター
AD=アシスタント・ディレクター
10コメント
2018.11.22 02:27
2018.11.21 14:31
2018.11.21 12:41