ヒューマノイドロボット『RYUJI』蜜月島 mission14-④
インターホンの画面に見慣れた顔が移った。
「先生…こんな夜中に、何の用ですか?」
「雅、暗証番号を変えたのか?どうしてそんなに避けるんだ?」
「先生…わかってないな」
「もう一度話し合おう、ここを開けなさい」
「嫌だ」
「雅‼」
「もう話すことなんてないよ。先生にとって僕はただのオモチャ…そこに愛なんてない」
「…どうすれば話を聞いてくれるんだ?」
「…先生はいつだって、僕を抱きながらアイツのことを心に描いてる」
「…僕が気づいてないとでも?」
「…雅」
「気づかないふりして大人しく抱かれてやってるのに…そんな僕の気持ちも、あなたは簡単に踏みにじった」
「…この間のことなら、この通りだ。謝るよ」
画面に頭を下げる恭介の姿が映る。
「この間のことだけじゃないよ。いつだってそう。アイツに何かあれば愛し合ってる最中にだって、僕を置き去りにしてすっ飛んでいった」
「……悪かった、土下座して欲しいなら今ここでそうしてもいい」
「お前が必要なんだ…」
「先生…なに?抱きたいの?」
「…ああ、頼むからここを開けてくれ」
「…仕方ないな、ロック解除するから、どーぞ」
「ありがとう」
雅はインターホンを切ると、チッと舌打ちをした。
「…ったく」
足早にデスクへ行き、PCを操作し電源を落とした。
「いずれにせよ現段階では僕の職場の上司だ」
「ヘタに拒否するのも…考えものだ」
「口を割らなければ…それでいい」
玄関のドアが開いて、白い影が滑るように部屋に入ってきた。
何も語らずに、雅の細いカラダを抱きしめた。
「せんせ…!?」
「雅…すまなかった」
雅の唇が開くより早く、恭介の薄く冷たい唇が覆い尽くした。
to be continued…
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2018.11.21 11:50
2018.11.21 11:47
2018.11.21 08:00