ヒューマノイドロボット『RYUJI』蜜月島first night mission12-⑤
「…隆二」
それ以上はなにも語らないで、臣は静かに隆二を抱き寄せた。
「いつだってそうなんだ」
「臣は俺の気持ちも知らないで、時々突き放すんだ」
「突き放してなんか…」
「意識してないって言いたいんだろ?それって余計に傷つくんだよ」
「ごめん」
「そうやって言ったら、お前がどう答えるか…試してみたくなったんだ」
「試して…それで答えを出そうとしたの?」
「…結果はわかってたけどな」
「わかってた?」
「そう、お前は情の深い奴だから、アイツと別れることなんてできない」
「……」
「アイツの方から切り出さない限り…な」
「…そこまで俺のことわかってて」
「隆二…」
「サヨウナラは…ないよ‼」
隆二を仰向けにしたまま、ぎゅっと抱きしめる。
「悪かった…酷いこと言ってごめんな」
何度も何度も隆二の髪を優しく撫でる。
「…また、あの時と同じ返事を俺がしたら、
臣も同じように返すんでしょ?」
すぐ側に隆二の顔があって、数センチで唇が触れる。
「言いたくないし、離したくないから」
「いまここで聞かせてよ」
「俺の知らないお前の声を…」
to be continued…
15コメント
2018.11.03 13:16
2018.11.03 13:13
2018.11.03 13:12