ヒューマノイドロボット『RYUJI』蜜月島first night mission12-④
あ…
この香り…
この感触…
包み込むように肉厚で、
しっとりと馴染む感覚…
臣とキスしたのって、いつだったっけ?
MV撮影がうまく進まなくて、俺のマンションに入るなり唇を奪われた…
あの時は夢中で、なにも考える余裕なんてなかった。
もっと生々しくて、切なかったキス…したな?
あれは恭介の入院先で…
でもあれは夢だったはず…
あの時と同じ香り、同じ感触…
顔が交差する時に肌に触れる高い鼻筋…
長い睫毛…
なにもかも、おんなじだ。
しばらく口づけを交わし、隆二が臣を解放した。
「ん?どした?」
「おみ…病院に来てたんじゃ…」
「ん?ちょっと気になってね」
「マジで?」
「生放送が終わってすぐに単独の取材が入ったって適当に理由つけて、小一時間現場を離れた」
「…で、一人で来たの?病院に」
「様子だけ聞いたらすぐに帰るつもりだったけど、アイツの助手って人が親切に応対してくれて」
「病室まで案内してくれた」
「…!?」
「どうぞごゆっくりって…」
「あれ…夢じゃなかったの?」
「…うん、そーなるかな?」
「あん時、RYUJIがいればそれでいいって臣が言って…」
「……」
「サヨウナラ…って言ったよね」
-このシチュエーションで、マズイ事を思い出させてしまった…
みるみる相方の表情が雲っていく。
なんて…悲しい顔をするんだ…
切なくて…
愛しくなった。
to be continued…
6コメント
2018.11.02 11:20
2018.11.02 11:02
2018.11.02 03:31