『W旦那+(プラス)』 TAKAOMI34 三代目妄想劇場ショートストーリー
一歩外に出て隆臣の靴を忘れたことに気がついた。
「たっくんの靴…」
左手で隆臣をしっかり抱き、立ったまま手を伸ばして靴を取った。
上体が斜めに傾いたので、隆臣と頬がくっついた。
隆二の頬に隆臣のチョコクリームがべっとりつく。
「あ!パーパ、チョコついたよ!」
隆臣が無邪気に笑う。
「平気だよ、たっくんのチョコだもの」
「そーなの?」
「たっくん、もうパパにぷん😠しないの?」
「しないよ、パーパだいしゅきよ」
隆臣が隆二の首にギュッと抱きついた。
「たぁくんもね、パーパに会いたかったの」
隆二は必死で涙を堪えた。
「そっか…グスン、早くおんもに出ようね」
何気にふと隆臣の足元を見ると、サイズがぴったり合った真新しい靴下を履いている。
「たっくん、お家を出る時に履いてた靴下はどうしたの?」
「おねーしゃんがお着替えしたのよ」
そういえば洋服も隆臣が着ていた物じゃない。
改めて部屋の中に目を向けると、
子供用の作り付けのベッドに新しい勉強机、子供用の洋服ダンス。
ハンガーにはちょうど隆臣が着れそうな園児服が掛けてある。
(どういうことなんだろう?)
(同じ年くらいの子供がいるのか?)
つづく
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2018.08.27 01:51
2018.08.27 00:56