ヒューマノイドロボット『RYUJI』mission 8-⑥
「キツい…」
「随分酔ってるようだけど…失恋でもした?」
やけに馴れ馴れしい男だな…
「まぁ、そんなとこかな」
「グラス空いたけど、よかったら一杯ご馳走するよ」
見知らぬ男が酒をすすめる。
普段ならきっと遠慮して席を立つだろう。
怪しいバーの光に照らされた隣の男は、この世の物とは思えない相貌で美しく佇んでいる。
「どこかで会いましたっけ?」
「いや、君があまりにも有名人なので、私が一方的に知っているだけだよ」
「そうだよね…じゃあ一杯だけいただこうかな」
「同じものでいい?」
「ん…」
「マスター」
白くて細長い指を優雅に上げて、男が酒をオーダーする。
「名前、聞いてもいいかな?」
男は切れ長の瞳をこちらへ向けて、怪しく微笑んだ。
「紅 恭介」
to be continued…
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2018.08.16 12:45
2018.08.16 11:49