『W旦那+(プラス)』 TAKAOMI⑦ 三代目妄想劇場ショートストーリー
式場に到着し車を降りると同時に、タクシーから直人とまりあが降りてきた。
「直人さん…あ‼保育園の…」
隆二がペコリと頭を下げまりあに会釈し、
臣に紹介しようとした時、臣のiPhoneが鳴った。
「はい、もしもし…どうしたんですか?」
「え?誰から…」
臣は通話口を塞いで「マネージャー」と、隆二に伝えた。
「…え!?ちょっと電波が悪くて聞き取れないんですけど…」
「…隆臣が?」
「たっくんがどうかしたの?」
「…隆臣が…いなくなった⁉」
その場に立ち尽くす臣と隆二。
「どこで?…近所の公園?」
臣の言葉を聞いて、隆二がいきなり駆け出した。
咄嗟に隆二の手首を臣が掴んだ。
「隆二…待てっ‼走っていける距離じゃないだろ?」
「離せ❗よくそんな冷静でいられるな‼」
ただごとならない二人の様子に、先に式場に到着していた三代目メンバーや劇団の面々、
D.lのメンバーが集まってきた。
「なんかあったんですか?」
SWAYが心配そうに声をかける。
「隆臣が…ちょっと目を離した隙にいなくなったって」
直己が険しい表情で臣に尋ねる。
「どこで?」
「いつも行く公園です」
臣の手を振りほどいて駆け出そうとする隆二を健二郎が止めた。
「隆二‼落ち着けって❗こんなとこから走ったって40分はかかるで‼」
ゴロゴロゴロ…
近くで雷が鳴った。
「今日はバーバん家行くから…財布も持たせてないんだ‼…もし迷子になってたら」
「一雨来そうだし、とにかく車で公園に向かおう」
肩に触れようとした臣の手を、隆二がパシッと払った。
「隆二‼お前が一番冷静になんなきゃ駄目だろ‼」
「俺は…」
隆二は今にも泣き出しそうな顔で空に向かって叫んだ。
「たっくん‼…」
つづく
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2018.07.23 00:35
2018.07.23 00:27