『W旦那+(プラス)』 TAKAOMI⑥ 三代目妄想劇場ショートストーリー
隆臣を抱きかかえて車から降ろした。
「そういえば今日は水筒のお持たせないですね」
「パンマンの?」
「そうですそうです!いつも隆二くんが必ず持たせるアンパンマンの水筒」
「パーパダメねぇ」
「あはは…そんなことないですよ。隆二くんはいつも隆臣くんの事を愛情たっぷりに育ててますよ」
「そーなの?」
「なにかあったんですか?」
「パーパね、たぁくんとおとーしゃんおいてけぼりしゅるの」
「え⁉︎置いてけぼりですか。外泊でもしたのかな?珍しい…」
「それで隆臣くん、おこ💢ですか?」
「しょーなの」
自販機の前まで来ると、マネージャーの携帯に着信が入った。
「隆臣くん、すみません!ちょっと電話出ますね!」
「どーぞ」
「あ!はい、いつもお世話になっております」
マネージャーが少し目を離した瞬間だった。
公園の方からコロコロとカラーボールが転がってきた。
「あっ!ボール…」
マネージャーは手帳を見ながら通話している。
「…では、失礼します」
「隆臣くん、お待たせしました」
携帯を離して自販機の方を振り返ると、そこに隆臣の姿はなかった。
「あれ?隆臣くん?…隆臣くーん?」
つづく
6コメント
2018.07.22 13:09
2018.07.22 13:01
2018.07.22 05:27