ヒューマノイドロボット『RYUJI』mission 7-⑨
ATSUSHIがジムを去り、トレーナーの指示のもと、臣とRYUJIはそれぞれのメニューをこなしていく。
臣はトレーナーの見守る中、ミラー越しに大きめのダンベルを上げている。
「少し離れます」
トレーナーが携帯片手にジムを出ていくと、
別のマシーンを使っていたRYUJIがすぐに臣の後ろへやって来た。
「なんだ?」
「さっきからなに怒ってんだ?」
後ろからがしっと臣を抱きしめる。
「お前…怖いものなしか?」
「…怖いものがあるとすれば」
「この綺麗な相方を失う時だけ…」
びくっとカラダが反応する。
RYUJIの手にエロスが宿る。
「やめろよ、すぐに戻ってくるぞ…ん…」
「そう言って …カラダは俺を欲しがってる」
「…RYUJI!?」
「!?」
ガチャっと扉が開く音がした。
「いい加減にしろ‼」
思わず声を荒げてしまう。
「登坂さん…!?どうされました?」
臣は、トレーナーにダンベルを預けた。
「…なんでもありません。俺、一回汗流してきます」
「…はい」
RYUJIを見ると、ニヤニヤと悪い笑みを浮かべて、首にかけたマフラータオルで両手を拭いている。
ーこんなところで…信じられない。
ー怒りがおさまらない。
シャワー室へ向かいながら臣は愕然とする。
ーでも、離れられないってカラダが言ってる。
ー怒りを越える快楽があるなんて…
臣だけを満足させるために作られたロボなんだと、改めて実感した。
to be continued…
2コメント
2018.06.17 01:28
2018.06.16 22:46