『W旦那+(プラス)』 the "no" phase21 三代目妄想劇場ショートストーリー
「隆臣、アンパンマン出動!」
「はぁーい♪おばしゃーん!シャンシャン🐼とってぇ!」
「リュック下ろすのかい?」
「そーだよ」
「すみません、両手が塞がってて…」
「お安いこったよ‼」
おばちゃんがしゃがんで隆臣のリュックを下ろした。
「パンマンとってくらしゃーい!」
「このアンパンマンの財布だね?じゃ、ここからもらうよ」
「足りるかな?」
「充分だよ」
八百屋のおばさんと頭を引っ付けて、アンパンマンの財布を覗きこんでいる隆臣を見て、臣は肩を揺らして笑った。
バナナやらリンゴやらをいっぱいオマケしてもらって、結構な荷物になった。
「とーしゃん、大丈夫なの?」
「隆臣が真っ直ぐお家に帰ってくれたら、お父さん助かるな」
「じゃ、しゅっぱつしんこーだね!」
「ん! 笑」
隆臣が元気いっぱい声を出したので、行き交う人がみな笑顔で振り返る。
「結構目立ってるし」
臣の上着をしっかり掴んで今度は立ち止まらず、真っ直ぐ自宅に向かって歩きだした。
「偉いぞ、隆臣」
「とーしゃーん♪いっちに➰🐻」
(いつの間にか、とーしゃんって言ってるし…)
つづく
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2018.06.17 04:52
2018.06.17 02:29