『W旦那+(プラス)』 the "no" phase② 三代目妄想劇場ショートストーリー
「さてと…」
隆臣は健二郎に背を向けて「ブーブー🚙」言ってオモチャで遊んでいる。
健二郎は隆臣の目の前に胡座をくんで座った。
「たっくん、おやつですよ🎵」
ぶんぶんと首を横に振る。
「いらんの?」
「やない😡」
「……」
「ブーブー🚙」
手にした車のオモチャを動かして、邪魔と言わんばかりに健二郎の足に当ててくる。
「…おれ邪魔か?」
隆臣は何も答えずそのまま「ブーブー」言いながら、健二郎の太ももの上にオモチャを走らせた。
「よいちょ」
健二郎の膝に手をついて立ち上がり、頭のてっぺんでオモチャを止めた。
健二郎がオモチャを落とさないようにじっとしているのを見て、隆臣は口に手を当ててぷぷっと笑った。
「遊んで欲しいのは間違いなさそうやけど…」
健二郎は動かない。
隆臣はジーっと健二郎を見ている。
「このままキープしとけってか?」
「そーなの?」
「…あかん、会話になってないな💧」
「たっくん、健ちゃんのこと嫌いになったんか?」
隆臣はぶんぶんと首を横に振る。
「健ちゃんのこと好きな人、はーいして!」
「やん😡」
「……アカンか?」
「公園行く人!!!手を上げてっ!」
「はぁーい🎵」
「うし🎵んじゃ、おやつも持っていって外で食べよっか?」
「けんちゃんも?」
「健ちゃんもおやつ持っていくよ」
「しゅっぱつ…」
「進行や🎵」
健二郎は頭を振ってオモチャをキャッチし、隆臣の頭を撫でて立ち上がった。
おやつとジュースを保冷バッグに入れ、
虫取り網と砂遊び用の小さなバケツとスコップを持ち、
虫取りかごを斜め掛けにして、準備は整った。
(手をつなご…って言うたら「いや」って返すやろな…多分)
保冷バッグとスコップ入りのミニバケツを片手に持ち、わざともう一方の手をフリーにして健二郎が言った。
「健ちゃん荷物いっぱい持ってるから、お手てつながれへんな」
「たっくん、ごめんな」
すると隆臣は「いやん」と言って、健二郎の空いてる手を持ってしっかり握ってきた。
健二郎はトレードマークの笑顔を隆臣に向けた。
「ほな、行こか🎵」
つづく
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2018.05.24 08:30
2018.05.24 08:20
2018.05.24 06:24