『W旦那+(プラス)』第167話 三代目妄想劇場
すっと隆臣を抱き上げ、立ち上がったのは臣だった。
臣「んーっ♫隆臣、ちゅーしよ♡」
臣が口をすぼめて隆臣に迫る。
その臣の口を横から手で塞ぎ、
隆二が阻止する。
隆二「だーめだめ!虫歯菌が移ったらどーすんの?」
臣「虫歯菌?人をなんだと思って…」
臣が油断した隙に、隆二が隆臣を奪って逃げた。
臣「あ‼︎コラッ!湯たんぽ返せ!」
隆二「やだね‼︎たっくん、パパとチューしよ♡」
隆二がアヒル口を作り、隆臣に迫る。
臣「やめろっ!虫歯菌が移るだろ!」
隆二「俺、生まれてから今まで虫歯なんてできたことねーもん」
隆二は隆臣を抱えたまま走り出した。
臣「隆二‼︎転んだらどーすんだよ!
止まれっ!」
小高い丘の上まで登り、臣の忠告を聞いてハタッと隆二が止まった。
臣「うわっ⁉︎急に止まんなっ…」
臣が隆二の背中にぶつかった。
軽い衝撃があったが、隆臣は手を叩いて笑っている。
臣「隆臣…」
隆二「たっくん、遊んでもらってるって勘違いしてるよ」
臣「隆二」
隆二「え⁉︎説教なら聞かねぇ…」
臣が隆二の腰を引き寄せ、甘いキスをした。
隆二「お…み」
真ん中にいる隆臣を二人で抱えている。
隆二「たっくんのファーストキスは…」
臣「未来の花嫁の為に、取っといてやろうな」
暖かい春の日差しを浴びて、三人のシルエットが一つに重なった。
ゴォーと風が吹いた。
桜の花びらが舞う。
隆臣が草むらの方角を指差して、
「あーあ」と言った。
隆二「あーっ‼︎ビニールシートが飛んでる!」
臣「やべっ!」
臣が先に走り出した。
隆二は隆臣を抱いて、ゆっくり歩きながら後に続く。
「臣パーパ、転ぶなよ」
隆二と隆臣は揃って、天使の笑顔で微笑んだ。
完
ご愛読ありがとうございました。
新連載
ヒューマノイドロボット『RYUJI』
明日より公開します。
不定期更新になります。
よろしくお願いします。
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2018.03.20 05:32
2018.03.20 05:18
2018.03.19 14:23