三代目❤夢小説 『直己編23』
「ごめんなさい、私ったら浴衣の裾を踏んでしまって…」
「大丈夫ですか?まだ足が痛むのでは」
「いえ、平気です」
「立てますか?」
俺は両手を差し出した
彼女は少し躊躇しているようだったが、
俺の半分程の小さく白い手を両手に乗せた
俺は彼女の手を握りしめて、一緒にゆっくりと立ち上がった
冷たい手だ…
「痛っ…」
彼女はよろめいて俺の胸に寄りかかっ
た
目の前に美しく艶めく黒髪があり、とてもいい香りがする…
俺は彼女の両肩を支えて言った
「やはり、まだ足が痛むのでは?」
すると彼女は俺の顔を見上げて、恥ずかしそうに笑って言った
「足が痺れちゃいました」
「え⁉︎足?…そっか、痺れて…」
「意外ですか?」
「いや、人間だから当然、長く正座をしていたら足も痺れます」
「…痺れが取れるまで…こうしていてもいいですか?」
「ええ…」
「時間は?」
「もう少しなら大丈夫です」
彼女は俺の胸の中に顔を埋めた…
俺は、彼女の肩を軽く支えて、時が経つのを待った…
つづく
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