『拗ねた兎④』(続•臣隆妄想劇場117)ショートバージョン
ラジオの収録が終わり、自宅に着いた時には夜中の2時を過ぎていた。
ベッドルームのドアをそっと開ける。
真っ暗な部屋で月明りに照らされて、
ベッドの左半分がこんもりしている。
隆二(頭から布団被って爆睡中か…)
そっとドアを閉め、先に手洗いとうがいを済ませる。
(あのマッサージの夜から、ろくにキスもしていない…)
洗面のミラーに映った自分の唇を見ると、薄っすら縦にシワが入っている。
(ほら見ろ…枯れてきた…)
(ちゃんと毎日愛情を注いでくれないと、寂しくて、うさぎみたいになったらどーすんだよ…ったく)
スウェットのポケットに入れていたリップクリームを取り、さっと唇に塗った。
(待ってろ!寝込みを襲ってやる)
珍しく隆二は悪そうな顔をして、足音を立てずにベッドルームへ入っていく。
ベッドの右側から布団の中に入り、
うつ伏せになっている臣の肩を持つと、パフっと萎んだ…
隆二「え?萎ん……」
慌ててベッドサイドの明かりをつけた。
隆二「げっ⁉︎ウサギ……」
いきなり兎のお面が、目に飛び込んできた。
びっくりして布団をめくってみると、
厚手のダウンジャンパーが胴の部分に、
縦長のソファークッションが二つ、
足の位置にあり、
枕の上に白いウサギのお面が置いてあった。
あの『LUXE』で使った小道具の…
怖いウサギのお面だ…
そっとお面を持ち上げてみると、
枕に直接テープで、白いメモが貼ってあった。
『急用ができた。4〜5日帰らない』
「…んだよ…急用って…」
(ま…た、しばらく会えないのに…あのバカ…)
隆二は眉間にしわを寄せ、叫んだ…
「拗ねた兎…!どこいった?」
完
次回『孤独』近日公開予定です。
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2018.01.30 17:40
2018.01.30 13:50
2018.01.30 13:08