『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編「初めてのマック⑫」


笑顔で軽くため息をつき、電話を切った廉。



実はスマホ片手に、剛典のツアーグッズであるチェックのストールに包まった りおをバギーに乗せて、
隆二達がいるマック近くまで来ていた。



廉「りおちゃん、もうすぐパパ達やにぃにがいるマックだよ。ご機嫌直して下さいな」



りお「バァ!」



赤いストールをめくって変顔で顔を出したりおは、すっかりご機嫌の様子だ。



廉「そうそう、その調子」



「ハニーはいないけど、そのままキープだよ」



りお「はぁい♪」



廉「いい子いい子」



「あ、マックだ!臣さん、目立つからすぐにわかった」



「隆二さんと隆臣くんは…」



カウンターから臣が待つ席に戻る間に、隆二は片手にお持ち帰りのマックを掲げ、もう一方の腕で隆臣を抱っこして、その頬にキスの雨を降らしている。



廉「いいなぁ。隆臣くんになりたい…」



1日だけでも体を入れ替える事が出来たら…



魔法のランプなる物が存在して、ひとつだけ願いが叶うなら迷わずそう願うだろう。



そんなファンタジーなど、現実にはあり得ないのに。



隆二に熱い眼差しを注いでいると、バギーに寝そべっていたりおが勢いよく跳ね上がった。



りお「あ!パピン!ミプン!にぃに♪」



りおは小さな指で自分の家族を指して、不揃いで濃い眉毛をヒクヒクさせた。



つづく




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