『憂鬱⑧』(続•臣隆妄想劇場73)ショートバージョン

長い時間絡みあって、隆二からゆっくり離れた。



臣の髪を優しく撫でながら、隆二が言う。



「…俺も割り切ってるよ」



「……」



すぐそばで、隆二の目を見つめる臣。



「臣のサード…多くのファンが心待ちにしてるんだろ?」



「……ん」



「じゃあ…ワガママ言っちゃダメだよ」



「相手の女優さんにも失礼でしょ?」



「ん…分かってる」



臣のワガママじゃない事は、隆二もよく分かっている。



「そーだよね、臣、周りに迷惑かけてること十分に分かってるから、落ちてんだもんね」



「……」



「明日はきっと…うまくいくよ」



言うだけ言って、隆二からまた臣の唇に吸いついた。



(俺だってヤダよ…この唇…一瞬でも他の誰かに奪われたくない)



(仕事だっつーのに…二人してワガママばかりで…二人して憂鬱になって…)



(でも、もう大丈夫)



(きっと明日はうまくいくよ…)



続く

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