『W旦那+(プラス)』第32〜33話 (臣のマンション①)三代目妄想劇場


自宅のバスルームで湯船に浸かっている臣。


理愛と一緒にマンションに帰り、荷物の片付けをしている間に、先に理愛が入浴を済ませた。


理愛が入った後は、お湯もすっかり入れ替えてあり、一番風呂のようになっている。


ゆっくり風呂に浸かりながら、
この10日間をどう有効利用するか考えている。


(理愛さえ首を縦に振れば、誰に気兼ねすることもなく、愛し合えるのに…)


そう思いつつも、相方のことが気になる。


(あいつ大丈夫かな?悪い夢でも見たのか?…それとも…)


ザバッっと勢いよく湯船を出て、シャワーの前に腰掛ける。


(理愛の後って、掃除が終わったホテルのバスルームみたいで…髪の毛一つ落ちてない)


(風呂に入った後、わざわざ掃除してるのかな?)


(顔には出さなくても、色々気を遣ってるのかも?)


シャワーをひねると同時に、バスルームのドアを叩く音がした。


「旦那さま?」


「ん?理愛、どうかした?」


「お背中流させてください」


美しい声がそう告げた。


(えっ⁉︎そんなこと…初めてだ)




「ちょ…ちょっと待って」


慌てて腰にタオルを巻く。


ドアの所まで来て一瞬ためらった。


(まさか裸で立ってるんじゃ?)


(もしそうだとしたら、俺…我慢できなくなる)


深呼吸して、気持ちを落ち着かせ聞いてみる。


「理愛…なにも着てないの?」


「いえ、旦那さまのバスローブをお借りしてます」


(ああ…ツアーのガウン…)


少しホッとした。


そっとドアを開けてみる。


臣のガウンを着てウエストをベルトで結び、白い素足だけ見せている。


「どうしたの?理愛…珍しいこと言うね」


「しばらくお会いしてなかったので、お背中くらいならと思って…」


「ん…じゃ、お願いしよっかな?」


笑顔を見せる臣。


「タオル落ちたりしたら、見ちゃダメだよ」


「えっ?は…い」


理愛の頬が少し赤くなった気がした。


広めのバスルームにイスを並べ、
臣のたくましい背中を洗う理愛。


臣は滝に打たれる修行僧のように、
しっかり目を閉じて、瞑想中のような顔をしている。


「お湯かけます」


「理愛にもかかっちゃうね」


「ガウンは後で洗うので、大丈夫です」


バスルーム全体にいい香りがたちこめている。


臣も香水はつけているが、それとは別の、脳内を刺激するような、甘くてとてもいい香りがする。


(理愛…なんの香水使ってるんだろ?)


背中の泡をすっかり流しきると、いきなり理愛が後ろから抱きついてきた。


「理愛⁉︎」


自分の胸に視線を落とすと、真っ白で細い腕が臣の両脇から伸びていて、腰辺りに絡みついている。


「待って…理愛、この状況じゃ俺…セーブできないよ」


「旦那さま…」


「ん?」


白い手が臣の腹筋辺りに、軽く爪を立てる。


「私が欲しいですか?」


「……」


少し間があり、臣の唇が開く。


「欲しいって言ったら?」


「今夜なら…大丈夫ですよ」



End

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