『W旦那+(プラス)』第14話 (トレーニングジム)三代目妄想劇場

「臣、ちょっといい?」


LDHのジムで、隆二が臣に声をかけた。


「なに?」


「2日前のことなんだけど…」


隆二が自分のスマホを取り出し、臣に見せる。


「スマホがどうかした?」


「おれ、寝る前に寝室にスマホ置き忘れていて、朝見たら理愛ちゃんに持たせてあるスマホと一緒に並べてあったんだけど…」


「うん」


「夜のうちに理愛ちゃんが間違えて、おれのスマホを操作した形跡があるんだ」


「理愛が?電話とかメールをしたってこと?」


「誰宛てに?」


「いや、わかんないんだけど…」


「履歴残ってないの?」


「いや…それがさ…」


隆二はスマホを操作して、画面を臣に見せる。


真っ暗な画面に、


『んゆゆよゆ んゆゆよ』という


解読不明な文字が並んでいる。


「これを理愛が打ったの?」


「うん…時間からして、俺がリビングのソファで爆睡してた頃だから、他に考えようがない…」


「その上操作ミスして、俺のインスタにあげたみたいで…ファンの子達の間で結構話題になってるんだ…」


「メールしようとしたにしても、文字からいって意味不明じゃない⁉️」


「やっぱ寝ぼけてたのかな?こんな事今までなかったもんね」


「それほど気にしないでもいいんじゃないの?」


「そだね」


「ん?お前さっきリビングで寝てるって言った?」


「理愛ちゃんがウチに来る日は、いつもそうだよ」


「へぇー…ちゃんと理性持って接してるんだ」


「当たり前だろ」


「…まさか臣、理愛ちゃんに変なことしてないだろうね?」


「おれ?する訳ねーじゃん」


「本当に?」


「まぁ…たまに添い寝してもらうだけで」


「添い寝?怪しいもんだね」


「お前と一緒にすんな」


「俺は…!」


隆二が反論するのを制して、


「はいはい!わかった。皆まで言うな。
理性を持って愛してるんでしょ?」


「……」


あの夜の出来事は、敢えて言わない方がいいと、お互いの胸にしまった。



End










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