『溺愛②』(続•臣隆妄想劇場59)ショートバージョン
隆二の隣に立ってすぐに、
臣「ただいま」
隆二「おかえり」
軽くキスをする二人。
付き合い始めてから、もう何回キスしたろ?
臣自身が隆二とキスをするのが好きなので、もう数えきれないくらいしている。
臣はカニをさばく手を止め、宙を見つめ唇を触っていると、
「まーた…やらしい事考えてんでしょ?」と、隆二がツッコんでくる。
「…人をエロ扱いすんな」
「臣の考えてること位、だいたい想像つくって…」
「あ…そう」
隆二はカニの甲羅にカニ味噌を入れ、甲羅酒を作っている。
「ひゃー♡うまそっ」
「隆二」
「ん?」
「CHU♡」
こんな具合で普通に生活している中で、自然に唇を重ねる。
そのまま火がついてベッドへ…ということもしばしば…
(やっぱり最近聞いてないよな)
チンとオーブンが音を立てた。
「ん?オーブン料理なに作ったの?」
「蟹グラタン♡」
「え?ベシャメルソースから手作り?頑張ったね、隆二」
「まーね!まっかせなさーい」
「臣、なに飲むの?ビール?」
「うん、取り敢えず」
「お前は?」
「甲羅酒♡」
「いきなりかよ」
ダイニングテーブルにずらっとカニ料理が並ぶ。
隆二「んじゃ、カンパーイ🎵」
臣は缶ビールを手に持ち、隆二は両手でカニの甲羅を持ち上げた。
隆二「あちち…」
臣「火傷したんじゃないの?見せて」
臣は隆二の手を取り、少し赤くなった人差し指を唇で吸った。
隆二「大したことないって」
臣「甲羅で乾杯する奴がいるかよ」
チュッと音を立てて唇を離し、隆二の指を見る。
臣「大丈夫みたい」
隆二「もう…過保護なんだから…」
甲羅酒を飲みながら、隆二が言う。
「臣…俺に惚れてんだね」
臣はカニ刺しを食べながら思う。
(そう…これこれ、最近隆二はよくこういうセリフを吐く)
「惚れてるの?」
「好きなんでしょ?」
いつもは大抵受け身の隆二だが、女扱いされるのは絶対嫌だと言う。
その割に俺には、好きだとか言葉にして欲しいようだ。
(それって…まるで女子…)
俺も初めの頃よりは、はっきり気持ちを伝えるようになってきた。
反面、隆二が思いを口にすることが少なくなったような気がする。
(俺がこいつに言って欲しい言葉ってなんだろ?)
続く
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2017.11.29 13:04
2017.11.29 11:51
2017.11.29 08:50