『TRY②』(続・臣隆妄想劇場19)
この期に及んで、往生際が悪いよな…おれ…
「ほら…」と、臣が引き寄せる。
隆二から臣の上に乗っかり、キスをし始める。
舌を絡ませ合う内に、自然に臣が上になり、
隆二の首から胸にかけて、優しくキスをしていく…
こんな経験して、おれ明日から一人で耐えられるかな?
隆二の胸の一番敏感な部分に、
臣の唇が触れると、
繋いでいた左手に力が入る。
「ちゅっ…」
臣が音を立てて吸ってくる…
あっ…声…出そう…
「声出してもいいよ…」
臣が耳元まできて囁く
いや…さすがに無理…
無言で首を横に振る。
「ならいいけど…」と言いながら、
また隆二の唇を塞ぐ。
前にふざけて、ELLYともキスしたことがあるけど、
臣は触れた感触が全然違う…
何ていうか…こう、しっくりくるっていうか…
こいつも同じこと感じてんのかな?
再び臣の右手がスッと、隆二のトランクスの中に入ろうとすると、
自然に体がビクッと反応する…
無意識で腰を引く隆二。
「隆二?」
「…待って…ほんと無理かも…」
「……」
隆二を下にして、ベットについた両手で、
シーツをぎゅっと握りしめる臣。
隆二は左手で顔半分を隠している。
しばらく沈黙があり、
臣「…テキーラ飲むか?」
隆二「……ベロベロにして、意識無くしてからヤルってか?」
臣「ヤなの?」
隆二「やだ」
臣「……」
天を仰ぎ、フーッとため息をつく臣。
ゆるくウェーブのかかった髪を、くしゃくしゃしている。
臣「やっぱ、無理か…」
隆二「…ごめん」
二人とも仰向けに寝て、何も言葉を交わさない。
しばらくしてから、
臣「2ヶ月待てる?」
隆二「頑張ってみる」
臣「そん時はうまくいくかな?」
隆二「わかんねーよ…そんなの」
臣「なんなら、逆でもいいけど…」
隆二「なに?俺がする側ってこと?」
臣「うん…別に俺はどっちでも…」
隆二「俺にそんなこと出来るわけねーし…わかってるでしょ?臣…」
臣「だな…お前には無理」
隆二「それまでに、シュ…シュミレーションしとく…」
臣「そんなのしなくていいから」
隆二「…ごめん…臣」
隆二が臣の頭を抱き寄せる。
「いいよ…も一回…」
臣が目を閉じる。
濃厚なキスをしながら、臣がベットサイドの時計を見る。
2時半か…
しっかり抱き合って、安心したように、
先に眠りにつく隆二。
臣は起きていて、
隆二の唇を触りながら、
ずっと顔を眺めてる…
フライトまで
あと9時間を切った…
End
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