『TRY①』(続・臣隆妄想劇場18)


TVを消し、ソファーでキスし始める二人…



「…臣」



「臣って…」



「ん…?」



「ここじゃ…狭いよ」



久しぶりだと、深くのめり込んでしまう…



隆二がようやく告げた甘ったるい声で、我に返った。






ベットに移動し、ここ数日真剣に悩んでいた素朴な疑問を、隆二にぶつけてみる。



臣「こっからどうすんの?」



隆二「どゆこと?」



臣「…つまり…どっちが女役すんの?…って、俺に言わせんなよ」


隆二「知らねーよ…ってか、臣…あの晩どうするつもりでいたの?」


臣「そりゃ…流れで…その」


隆二「おまっ…⁉︎だいたいよくわかってないんじゃねーの?」


臣「知っててたまるか!おれ、元々ゲイじゃないって前から言ってんじゃん」


隆二「……」



臣「お互いに、して欲しいこと言う…とか?」


隆二「うわー…なんかそれってワチャワチャする…ムードもへったくれもねーし」



臣「しょうがねぇだろ」



隆二「…おれ、臣って完璧両刀使いなんだって思ってた」



臣「んなわけねーじゃん」



臣「男相手なんて、初めてだし…」



チラッと時計を見る。



しまった…!



呑気に会話してる場合じゃない…




おもむろにTシャツを脱ぐ臣。



臣「脱がして欲しい?」



隆二「じ…自分で脱ぐ」



Tシャツを脱いでベットに目をやると、



仰向けに臣が寝ていて「おいで」と手を広げる。



ダメだ…キュンとする



でも…



隆二「なんか…嫌ぁ」



臣「隆二…恥ずかしがってる時間なんかねぇぞ」



隆二「……」





緊張した様子で、隆二が臣の腕の中に入ってくる。



また長めのキスを始める二人…



「ん…臣…」



臣(ん…いい感じ…)



そのまま手を伸ばし、隆二のトランクスに手をかける…



いきなり「ぷーっ!」と吹き出す隆二。



臣「お前…!?せっかくのムードぶち壊す気か?」



隆二「いや…マジ無理…俺の見て今更何が楽しい?」



隆二「臣、散々サウナとかで見てんじゃん」



臣「それ言い始めたら、身も蓋もねーだろ」



臣「俺のだって、お前散々見てるし…」



隆二「へへへ…言えてるぅ」



臣「こんな状況で笑うな!」



臣は呆れた顔をしている。



隆二「ごめんごめん」



臣「どうすんの?…しないの?」



隆二「……」



臣「俺…明日の夜は日本にいないぞ」



口元だけ笑ったまま、固まる隆二だった。




End

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