『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(小さな憧れ32)
丸くなって気持ち良さげに寝ている猫を、臣にそっと託して隆二はベッドから出た。
コロンと臣の方に寝返りをうって、りおにひっついた隆臣が、目を瞑ったまま、なにやらゴニョゴニョ言っている。
「…隆臣がなんか寝言言ってんぞ」
「ん?なになに?」
ベッドの傍に立った隆二は姿勢を低くして耳を傾けた。
すぐ目の前に臣の顔がある。
自然に見つめ合う。
ん〜っと臣が唇を尖らせてキスを要求する仕草を見せた。
フッと微笑んで迫る隆二を止めたのは爆睡中の隆臣だった。
「…ムニャ…パンマンのお医者さんセット、買ってくれるんでしょ?パーパ…」
尖らせた唇が崩れ、臣は堪らずに白い歯を見せて笑った。
「デカい寝言言ってる」
「ふふ、笑っちゃう」
隆二もキスを諦めて笑った。
隆臣の寝言が続く。
「たまに貸したげるからね…」
「え?お医者さんごっこセットを俺たちに貸してくれんの?」
「そうよ…パーパとおとーしゃんでお医者さんごっこしてもいいからね」
「だからしゅぐに買ってくらしゃい…ムニャムニャ…」
愛しい息子のおねだりに思わず吹き出した。
りおが笑い声に反応してしかめっ面になり寝返りをうった。
「し〜っ!起きちゃうじゃんか💦」
臣と隆二は互いの口元を手で押さえ、また笑いあった。
つづく
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2022.02.18 07:11
2022.02.18 03:09