『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(小さな憧れ18)
言葉は随分と達者になってきたけど、
まだまだちっちゃな子供たちが一生懸命踊るダンス。
親バカと言われようが可愛くて仕方ない。
陽翔の父親は目にうっすら涙さえ浮かべている。
途中隆臣だけズルして、リビングの隅に置いてあるアンパンマンの椅子に腰掛けて手の振りだけして見せたりする。
「隆臣はパーパの真似してんのか?」
「俺の真似っこ?」
「ラタタの振り、時々ズルしてんじゃん」
「あれはズルじゃない。アレンジさ」
「アレンジねぇ…」
「たっくん、どしたの?疲れちゃった?」
「ちょっとだけ眠いのよ」
「そっか!じゃあもうダンスのお披露目はいいからパーパんとこおいで」
「はぁい♡」
「あー!たぁくんだけズルい!乃愛も疲れたからるーたん抱っこしてぇ♡」
「あはは…いいよ、二人ともおいで」
大人の天使に小さな天使二人が飛びつく。
「よし!陽翔もパパんとこおいで」
「パパー♡」
陽翔も勢いよくダイブした。
「えー!俺だけ手がフリーで寂しい」
笑顔で文句を言う剛典の目には一瞬、3人の子供たちの背中に、白くてモコモコした羽が生えているように見えて、思わず目をこすった。
「パパたん、泣いてるの?後でいっぱいラブラブしてあげるから、待ってね♡」
「うん!待ってる♪なるだけ早くね、乃愛」
「キラキラパパたんって、ホント世界一可愛い💠」
「それを隆二さんの胸のなかで言うんだね 笑」
あやしているりおを臣が高く抱き上げた。
「おーし♪俺たちも負けじとラブラブしような!りお」
「みぷ♥️」
「みぷ?惜しいな。俺は"おみ"だよ、りお言えるかな?」
「みぷん♪」
「ダメか 笑」
「りおは臣パパとお髭パパ、
どっちが好きでしゅか?」
「ハニ♥️」
「ちぇ、やっぱがんちゃんだってよ」
「あはは♪光栄です」
隆二の腕のなかで、乃愛は自分の頬に手を添えて、ほーっとため息をついた。
「片恋(かたこい)が入り乱れてるわね」
つづく
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