『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(小さな憧れ13)
「のーあ、たぁくんのパーパだったら、喜んでひっつき虫みたいにして寝るのにね」
「るーたんは憧れのてっぺんにいる人だから、別なの!」
「まぁいいけど。そーだ!あーちゃんお風呂上がりのプハーくらしゃい」
「俺も頼むよ、理愛」
「こら!臣もたっくんも岩ちゃんの奥方をアゴで使うんじゃない」
「私なら大丈夫ですよ。えっと臣さんは缶ビール、隆臣くんはオレンジジュースでいいかな?」
剛典の肩を持って立とうとする理愛を隆二が制した。
「あー!理愛ちゃん、俺がやるから座ってて、料理もいっぱい作ってくれたんだし、お客様はゆっくりしてて」
「そうだ、俺らの世話は嫁がやれ」
「パーパ!たぁくんパイナポーがいい」
「ハイハイ」
バウンサーでゆらゆらしているりおは、大きな目をクリクリさせて自分の家族を交互に見ている。
「パーパ、お髭剃っちゃえばお嫁さんっぽくなるのに」
「隆臣、それは無理だ。奴はぜってぇ剃らねぇよ」
臣と隆臣専用の、大小のふかふかソファーに踏ん反り返って、お揃いのパーカーを着た親子がニタニタ笑っている。
「やだ!乃愛の王子様の扱い酷くない?」
「乃愛、いいんだよ、いつもこんな調子だから」
冷蔵庫から缶ビールと瓶入りジュースを取り出しながら、隆二がフニャッと笑って返す。
「るーたん優しすぎるのよね」
「まぁ、そこがまた王子様の魅力なんだけど」
会話を聞いていた陽翔が、すぐ隣に座って隆二に熱い視線を送っている乃愛の肩をツンツンした。
つづく
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2021.11.11 06:02
2021.11.11 05:41