『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(小さな憧れ11)

「なぁに?陽翔くん」



「あのねぇ、乃愛ちゃん、片足上げてみて」



「え?何か持たないと無理、転んじゃうよ」



「じゃあ僕の肩持って」



「こう?」



陽翔の父は一体何が始まるんだろと思いつつも、向かい合わせになった小さな二人を笑顔で見ている。



陽翔は乃愛がちょっと持ち上げた足の裏を手で優しく払った。



「乃愛ちゃん急いで玄関まで出てきてくれたんでしょ?足の裏がよごれちゃうよ」



「…ありがと。陽翔くんって優しいのね」



「どういたしまして」



すぐ目の前でニコッと微笑まれ、乃愛の頬がピンク色にそまった。



陽翔には常日頃から女の子や高齢者には優しく接する様にと言い聞かせていた父は、とても嬉しそうにしている。




自然にそして突然に、隆二に対するものとは全く別の、不思議な光りが乃愛の胸に灯った。




つづく


更新が大変遅くなりました。
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