『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(小さな憧れ④)
広い湯船に浸かり、壁にあるテレビを食い入るように見る子供達。
アンパンマンやアヒルのお風呂グッズを両手に持つ手も止まっている。
「かっけぇ」
「ねー♥️」
隆臣の言葉をちゃんと理解しているのか、理太も相槌をうっている。
「坊主たち、ありがと」
「きゃあ🎵おへそ出てるよ」
「きゃあ♥️」
「みんなきゃあきゃあ言ってる❗」
「リーリーも‼️」
「リーリーも好きね🎵」
「はぁい🙋」
「たぁくんのパーパもおとうしゃんもぉ」
「乃愛のパーパもきゅってしてるでしょ?」
「ん?お腹周りのことかな」
「タケチしゃんと太陽くんのパーパはポコンっておっきいの」
「そうなんだ」
(公園でパパ達に会ったんだろな)
「年齢的にはちょっと油断すると、ビール腹になったりもするからなぁ」
「たぁくんもパーパやおとうしゃんみたく、ムキムキのパキパキになる‼️」
「まだ保育園児だろ。早すぎねぇか?」
隆臣は浴槽の中で立って、自分のお腹を手のひらで軽く叩いた。
バシャバシャとお湯が跳ねて、臣や理太にかかった。
臣は気にする風でもなく、顔を両手で拭って、そのまま髪をかきあげた。
「まぁるいお腹じゃダメなのよ、モテないの」
「へ?モテたいってか」
「園で好きな女の子でもできたのかな」
「みーんな好きよ🎵」
「あのおちゅー💉しに行った病院のお姉さんと結婚するんじゃなかったっけ?」
「結婚したい女の子はいっぱいいるよ」
「うわ…パーパが聞いたら泣くぞ」
「そうなの?じゃあやめる」
「諦めるの早っ💦」
「女の子もパーパも、泣かせちゃらめよ」
「わかった」
釘を刺された様な気がして、
臣は思わず返事をしてしまった。
つづく
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2021.06.07 12:17
2021.06.07 12:12