『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(小さな憧れ⑤)
「おーし‼︎じゃあバブル出すぞ」
臣は浴室の隅に置いてある浮き輪に手を伸ばした。
「理太はまだ小さいからこの浮き輪つけて」
りお用に買ってあったお風呂用浮き輪の中に理太を抱き上げて入れた。
「きゃあ♪」
細かいバブルバスにゆらゆらしてご満悦だ。
隆臣はといえばちょっと目を離した隙に「うんしょ」と言って浴槽を跨いで、
お風呂グッズ置き場でゴソゴソしている。
「パンマンのお風呂シャワーでしょ」
バケツや水車がついてシャワーまで出るアンパンマンのお風呂グッズを湯船に放り込んだ。
「もうライブ見ないのか?隆臣」
「ちゅぎ、パーパの見る!」
「わかった、隆二のソロな」
防水仕様のリモコンを操作した。
「あ!健ちゃんに買ってもらった釣りもしよう!」
隆臣は子供用の魚釣りセットも手に取って、一式湯船に入れた。
もうすでにアヒルやアンパンマンキャラや色とりどりのカラーボールが湯船に入れてあったので、一気に大渋滞になった。
「のぼせそう」
臣はニコニコ笑いながらパネルを操作して水を入れ、湯温を少し下げた。
「おとーしゃん、ちょっとごめんなさいね」
隆臣はそう言って臣の肩を持ち、また湯船に入ってきた。
「たぁくんのサオどこでしゅか❓」
「釣竿か?さっきこの辺に放り込んだろ?」
「リーリー知らない?」
「なぁい」
理太が両手でバシャバシャすると、湯船に浮かんだグッズが一斉にわしゃわしゃし始めた。
「大渋滞だな 笑」
「こんな渋滞でうまく魚釣れたら大したもんだ」
「サオ見つかんないから手で釣るね」
「それはもはや釣りとは言えないな。あ、パーパが出てきたぞ」
「きゃあ♪かっけぇ👏」
「パーパ、やっぱ金パチュがいいね!」
「この間黒髪に戻したもんな」
「隆臣は金髪パーパのが好きか?」
「黒もいいけど、キンパチュ好きよ」
「俺は?」
「おとーしゃんは黒かメッシュか、しゃんまげね♪」
「ねー♡」
「リーリーも賛成だって!」
(最近俺ってハイライト入れてたっけ?)
「あー!まぁたパーパ、おねぇしゃんとくっついてる‼︎」
隆臣がTVの画面を指差した。
「あれはね、おねぇさんと浮気してるんじゃなくて、ああいうダンスパフォーマンスなんだよ」
(浮気って言ってもワカンねぇか)
「チューしないの❓」
「しないよ」
「そうなの❓良かったぁ」
「チューはおとーしゃんとしかダメなのよ」
「おーみもないない😡」
「おとーしゃんはいーの!」
「ブーブー😬」
「あはは…理太そんな怒った顔しないの」
つづく
2コメント
2021.06.11 12:09
2021.06.11 09:55