三代目❤夢小説(臣隆編sixth)『冬恋 20』
国立公園に入り、圧雪された雪道を手を繋いで歩いて、オーロラ小屋を目指す。
分厚い手袋をしてるから、体温は伝わらない。
真っ白な息に霞む白銀の世界。
すれ違う人もまばらで、いつしか会話も途絶え、サクサクと二人の足音だけが響いている。
橋を渡って、いくつかの標識を超えて20分程歩いた先に、雪に埋もれた小屋が見えてきた。
入口の脇に、焚き木をするスペースがある。
「俺、中に入って暖炉の様子を見てくるから、隆二は焚き木をおこしてくれる?」
「うん、いいよ。あそこの薪に着火剤で火をおこせばいいんだね」
「外、寒いな…中の方がいいか?」
「大丈夫だよ、全然寒くない。暖炉見てきて」
「先客がいるかもな」
隆二と別れて小屋に入った。
誰にでも無料で解放してるオーロラ小屋。
中に入るとやはり先客の外国人が数人いた。
暖炉に火が灯っていて、暖かい。
結構広い小屋の中には小さなTVもある。
長椅子に座って寛いでいるのは恋人同士かな。
あの様子じゃ、新婚かもな。
軽く会釈したら慌てる様子もなく笑顔で返してきた。
すぐに小屋を出て、隆二の元へ向かった。
つづく
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